WORK & PERSON
仕事と人を知る
05研究開発

研究している時間が、
いちばんワクワクする。

2016年入社 研究開発部所属
農学府 自然環境保全学専攻出身

フェルトの研究に邁進する日々

学生時代は、森林や里山の自然環境と人間社会の関わりについて、フィールドワークを通して学びました。人が自然の資源を持続的に利用しながら共生していることを実感して、興味を持ち始めた製紙業界。会社研究を進めていくうちに、紙づくりに深く関わっている当社を知り、「ここで働きたい」と思いました。

入社後は半年間の研修を経てから、埼玉工場にある研究開発部へ。もともと「若いうちは製造現場に近い所でいろいろ学びたい」と考えていたので、希望通りの配属でした。

現在の主な業務は大きく2つあります。1つは、X線CT装置を介したフェルトの測定。大学や試験研究機関に出向いて最新のX線CT装置を活用し、その測定したデータを基にフェルトの内部構造の観察や数値解析を行っています。不織布の繊維構造解析は比較的未知の分野であるため、大学の先生や分析メーカーの方からアドバイスをいただきながら進めています。もう1つは、搾水性の向上等を目的としたフェルトの樹脂加工の研究。樹脂の種類や加工条件について、プレス試験機や電子顕微鏡を用いながら実験を重ねる毎日です。

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研究開発はワクワクが止まらない

研究開発という仕事の魅力を端的に言えば、「面白くて楽しい!」に尽きるのではないでしょうか。たとえば、フェルトのCT画像を初めて見たときの感動。フェルトの内部構造は緻密で繊維同士が立体的に絡み合っているため、肉眼や顕微鏡で分析するには限界があります。しかし、CT装置ではフェルトを破壊することなくその内部を様々な角度から観察できるため、その画像の迫力を目の当たりにしたときはワクワクが止まりませんでした。CT画像から分かる様々な情報を解析することで、今まで知りえなかった結論に辿りつけるのは、まるで謎解きのようです。

また、お客様の反応が伺えるのもやりがいの1つ。以前、実験による検討を終えて加工方法を決めたフェルトが、お客様での使用状況報告から「もしかしたら、あまり良くない状態で仕上がっていたのかもしれない」と不安に感じたことがありました。そこで再度実験を重ねて、その後のフェルトは加工方法を一部変更することに。結果、お客様が順調に使用できているという一報を聞いたときは「本当に良かった!」と心から思いました。

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伝統も雰囲気も全部が好き

私の今後の目標は、みんなから頼られる人間になること。「一緒に仕事ができて良かった」「相談して良かった」と思われる研究者になりたいです。そのためには、もっともっと勉強しなくてはいけません。幸運にも、当社には100年以上の歴史があり、過去に行われた実験の写真や報告書が膨大にあります。先輩たちが積み上げてくれた貴重なデータの数々は、とても参考になるものばかり。これらの資料から学び、知識を深めることで、有益な情報を発信していきたいと思っています。

また、会社の未来に想いを馳せると、工場ではリモート操作が可能になり、オートメーション化が進んでいるかもしれません。働く人間の多国籍化が進んで、様々な言語が飛び交っているかもしれません。ただ、どのような形になっていても、温かみのあるアットホームな雰囲気だけは変わらないはず。私が好きな“日本フエルトの心”は、未来も受け継がれていると思います。

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MESSAGE 学生へのメッセージ

当社の研究開発部には、自分が興味を持ったこと、試してみたいと思ったことは、若手でもチャレンジできる環境が用意されています。「言われたことだけをやるなんてつまらない」と思っている人には絶対オススメです。研究の仕事をとことんまで楽しみましょう!